手織り工場で働くスミトラさんのお話
この春、ネパールから手織り生地のアイテムが届きました。
しっかりとした経糸と緯糸で織りながら、ストライプの柄を付けるために、都度太めの緯糸を通しながら丁寧に織り上げています。
手が込んだ生地はどんな場所でどんな方が作っているのか。
前回に続き、第二弾は現在手織り工場で33年働く女性、スミトラさんにお話を伺いました。
スミトラさんのお話
創業当初からのメンバーの一人で、最も上手な織手さんです。
サンプルの織り生地を作るのも彼女が務めています。
スミトラさんは記憶がないほど幼いころに母親を亡くし、父親は畑を耕す仕事しかなく、生きていくために過酷な状況でお金が必要でした。
遠い親戚であるビレンドラさんが手織工場を始めると聞いて、一緒に働き始めたのが12歳の頃。
家が貧しかったため手織り機に触れたことはなく、手織りの技術は工場で働き始めてから学んだそうです。
たくさんのオーダーが入ったときは朝から夕方まで働くことになります。
そんなときは工場長のビレンドラさんが朝・昼・晩と食事の提供をしてくれることが嬉しいと話してくれました。
また年に1度ピクニックスポットとして有名な寺院に工場のみんなでピクニックすることも。
工場が盛り上がっていたときはビレンドラさんが全員におそろいのショールとサリーをプレゼントしてくれて、みんなで写真を撮ったそうです。
ビレンドラさんと働く女性たちの関係性がとてもよく、和気あいあいと仕事に取り組んでいる様子が目に浮かびました。
スミトラさんは今回の新しい手織りストライプ生地について「ストライプに織るのはめちゃくちゃ時間かかったよ。」と笑いながら教えてくれました。
秋冬に販売していた厚手の手織り生地は一日に8〜10メートル織れるのに対し、ストライプ生地は一日に約3〜4メートルしか織れません。
ストライプの柄にするための緯糸を一定の間隔で変えることに時間がかかります。
初めはサンプル生地を横に置いて、間隔を測りながらストライプとなる太い糸に入れ替えていましたが、慣れてくると記憶してできるようになったそうです。
仕事で得た収入の使い道を聞いてみました。
「田畑を持っておらず必要なものは購入するしかないので、生活費と子どもの学費に充てています。自分の着るものは年に2回、ダサインというお祭とビスケット・ジャトラというネパール歴の新年を祝うバクタプルのお祭りに合わせて購入しています。夫はスクールバスの運転手をしているけれど、夫の収入だけで暮らしていくのは厳しいのです。」
現在スミトラさんは夫、夫の母親、二人の息子の5人家族で、息子は二人とも大学に通わせることができました。
また手織り工場で働く前とあとで、人生が大きく変わったと言っていました。
sisamの手織り生地はとても素敵なこと、大変な作業に驚くことをスミトラさんに伝えると、印象に残るメッセージが返ってきました。
「機械織りだと一人で何台もの織機を使ってたくさん生地は織れます。手織りは機械織りと比べてたくさんは織れないけれど、その分、伝統的な技術を継承し、たくさんの女性が仕事を得ることができるんです。手織り生地を選んでくれたら嬉しいです。」
手間をかけない便利な機械や仕組みがどんどん増えていく中で、仕事の機会と人手を増やすということ。
伝統的な技術や手仕事を守り、継承していくということ。
フェアトレードではとても大切な考え方の一つです。
「夏にも着ることができる手織り生地を」という思いから生まれた手織りストライプ生地。
手織りの着心地の奥に込められたスミトラさんの願いが、たくさんの方に届きますように。
sisam FAIR TRADE
コバヤシ

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