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カディがある世界に生まれて

フェアトレードの「生地」とそこに関わる人たちに光をあてた1か月。
最後を飾るのは、sisamが愛してやまないカディのお話です。


手紡ぎ、手織りという、途方もない時間と技術を要する手仕事が重なった一枚の布。


かつてガンジーがインド独立運動の際に身にまとっていた布が、カディです。


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「便利」に埋め尽くされた毎日の中で、なんだか生活をおくることのスピードさえ、どんどん上がっていく気がします。
でもカディの服をまとっていると、本来の歩幅で一日が過ぎていく感覚になるから不思議です。


人の手がかたどった繊細な凹凸。
自分まで季節の一部になったような着心地の柔らかさ。


ガンジーが伝えたかった本当の豊かさというものが、肌を通して染み込んでくるのだと思います。


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今回、インドの西ベンガル州、カディ生地の職人たちが暮らす村に、sisamと職人の架け橋になってくれている「SASHA」のスタッフが訪れました。
シャッシンアーラという場所です。


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カディづくりに関わる人たちのことを知りたい。そんな想いから実現したインタビュー。
ただただカディの魅力に夢見がちだった私は、この特別な手仕事が直面している現実の厳しさを改めて目の当たりにしました。


「カディづくりの今」


カディの仕事をして40年というカリパダ・グイさん(62歳)。

以前は家族みんなでこの仕事をやっていたそうですが、高齢の母や妻は働けなくなり、
息子に手伝ってもらいながら、なんとか暮らしていると話してくれました。


― 何歳くらいからこの仕事を?
小学校4年までしか勉強していません。父がこの仕事をしていたので、小さいころから自分の目で見て覚えてきました。
代々受け継がれてきた仕事なんです。


― コロナの影響は?
仕事は完全に止まりました。2年間、収入がまったくありませんでした。でも今、少しずつ戻ってきています。


― お客様に伝えたいことはありますか?
もっとカディを使っていただけたら、この仕事は続けられます。
でも今は機械織りの布が増えて、手織りの仕事はどんどん減っています。
カディを選んでくださる方が増えれば、私たちの暮らしも守られます。


そして彼の息子であるチランジット・グイさんもインタビューに答えてくれました。


僕はチランジット・グイです。
隣にいるのは父のカリパダ・グイ。うちの家族は、祖父の代からずっとこの手織りの仕事を続けてきました。
小さいころから父のそばで見よう見まねで覚えてきたんです。


でも、だんだんと工賃が下がってきて、特にコロナのあとからは生活が本当に厳しくなってしまって……。
今は仕方なく、家族を支えるために他の町に出て働いています。


もし、もっとカディ製品が海外にも広まっていって、大きな注文が入るようになったら…
僕もまたこの仕事に戻って、家族をしっかり支えていけると思っています。
そうすれば、みんなで一緒に暮らせる日がまた来るかもしれません。


こうして努力を続ければ、きっと次の世代もこの仕事を受け継いでいけるはず。
だからこそ、ひとりでも多くの人に、カディのことを知ってもらえたら嬉しいですね。


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インタビューを受けてくれた作り手の中には「給料が少なく、これではとても家族は養えません」と話す女性もいました。


一般市場からの注文は非常に限られていて、常に適正な価格が保証されているわけでありません。
特に女性は十分な賃金が支払われていない人もいますが、他に選択肢がないため、この仕事を懸命に続けているそうです。


「より多くのオーダーを」「適正な市場価格」で受けられるようにすることが、私たちがカディづくりを通して目指すものです。
しかし私たちの「SASHA」を通したフェアトレードの注文も非常に少なく、現時点では彼女たちの暮らしに大きな影響を与えることはできていないのが現実です。


カディを必要としない世界になればなるほど、カディづくりで家族を養おうと日々手を動かし続ける人々は、この仕事を手離すしかなくなります。
やがてカディの存在自体が、過去のものになってしまうかもしれません。


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でも私たちは、カディのある世界に生まれました。
たくさんの「今」を選択できることに間に合ったのだと、私は感じています。


人の手がなくても、効率的に簡単にものが作れる時代。
心惹かれること、大切にしていることは人それぞれですが、抗えないほど大きな価値観の流れがあるのも事実です。


でも今もなお世界のあちこちで、カディが誰かの生活の中で光を放っている。
そのもう一つの事実こそ、ものづくりの力であり、希望なのだと思います。


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もしカディの服や、カディのある生活を素敵だと思う方がいらっしゃれば、この機会に一度袖を通してみていただけると嬉しいです。


カディに限らずとも、良いと感じていただける手仕事があれば、そのものづくりにぜひおもいきって手をのばしてみてください。


"手仕事の未来を変えていく"と言葉で書くと、壮大で途方もないことのようにも思いますが、
結局のところ唯一の方法は、私たちの日常の中にこそあるのかもしれません。


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5月は、「生地」にまつわる様々な手仕事や作り手のお話をご紹介してきました。


"職人"と一括りにしていた存在の中に、スミトラさん、アロックさん、カリパダさん…
かけがえのない一人ひとりの働く姿があることを鮮明に感じます。


インタビューやコラムを読んでくださった皆さま、ありがとうございました。
sisamはこれからも、ものづくりの今を伝え続けていきます。


sisam FAIR TRADE
タニ


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