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ある織り手の台所から

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先月ご紹介したカディの作り手インタビューの際、実はある織り手の台所を見せてもらっていました。
今日は美味しそうな匂いが漂ってくるような、現地の「食」にまつわるお話です。


\ カリパダさんの台所 /


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ここはインド西部・シャッシンアーラという村に暮らすカリパダさんの台所。
夫婦ともにカディづくりに携わっていいます。


コーラルピンクの壁が可愛いお家の中にある小さなキッチンで、
何やら美味しそうなものが手際よく炒められていますね。


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出来上がったお料理を床に並べていき、葉っぱのお皿を準備すれば、食卓のできあがり。


織り仕事もお昼休憩に入りました。
家族や訪れたスタッフが、ご飯とおかずを、それぞれの手のうえでうまく混ざ合わせ、口に運んでいきます。


「手で食べる」という経験、私も昔どきどきしながらやってみたことがあるんですが、
箸で食べるよりも、感覚が研ぎ澄まされて、素材の形や温度を指先から感じられるんですよね。


「料理を体全部で迎え入れている」という感覚を、とても強く持ったことを覚えています。


― 毎日、どんなごはんを作っていますか?
魚のカレーとお野菜、それに豆のスープをよく作るわよ。
「タク」っていう、ちょっとすっぱくて甘いスープもよく飲むの。消化にいいのよ。


― 今の料理は何ですか?
これは青菜の炒めものよ。


― あなたが作ったのですか?
ええ、私が作ったのよ。


― とってもおいしいですね!
ふふ、ありがとう。


― 朝ごはんは何を?
朝はポン菓子(パフライス)を食べるの。


― お昼と夜は?
お昼も夜も、ごはんを食べているわ。


― 特別な日には?
日曜日には、ときどきお肉を料理するの。お祭りの日には、いろんなおかずや甘いお菓子をつくるのよ。
「パヤシュ」っていう、ミルクで炊いた甘いおかゆは、お祝いの日の特別なごちそうね。


― お料理はひとりで?
ううん、みんなが手伝ってくれるのよ。


午後の一仕事に向けて、皆でカリパダさんのお料理を美味しく味わうひと時が過ぎていきます。


\ ワラの家のお話 /


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現地から届いた写真の一つに、気になるワラの家がありました。
なんとも可愛い佇まい!


改めて尋ねてみると、これはお家ではなく、穀物倉庫だと教えてくれました。


水稲が収穫された後、米は天日干しされ、この家のような構造物に保管されるそうです。


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建設途中の状態がこちら。
竹で骨組みを作り、その上にワラを敷いていきます。


この段階で巨大なボウルのような構造物ができました。
このボウルに米粒を入れていくんです。


ボウルがいっぱいになると、竹と稲藁でできた帽子のような構造物で覆い、いたずらされないようにロープで固定するそう。
下の方に秘密の扉があり、そこから穀物を取り出すことができます。


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米そのものと同じく、自然の恵みと人の手が合わさってかたどられた、大きな大きな手仕事です。


こうすることで、穀物は1年間新鮮さを保つことができます。
農民は、少量ずつ取り出して家族用に保管しながらも、市場価格が高く需要があるときに米を売り払うことができるのです。


生きていくための大切な貯蓄の一つなのですね。


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「食」は、生きる上での喜びであり、時に何よりも切実な存在にもなります。


日本で暮らす私たちも、米不足や物価高のなかで、そのことの一端を改めて感じ始めているような気がします。


だからこそ誰かの食卓をのぞくことは、たった今も私たちと同時に進んでいる、その人のかけがえのない生活を想うことなのかもしれません。


フェアトレードと聞いて、作り手の食卓の風景まで想像が辿り着くような、
そんな豊かな関係性を、これからも皆さんと一緒に築いていきたいと思うのです。


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